資産2,000万円の作り方——年収500万円でも18年で達成できる「唯一の計算式」

【この記事の結論】
年収500万円でも、月6万円の積立投資(年率5%)を続ければ、約18年で資産2,000万円に到達できます。老後2,000万円問題が話題になって以来、2,000万円は多くの人の「資産形成の目標値」になりました。この数字は現実的に達成可能です。ただし「やり方」を間違えると、同じ時間をかけても目標に届きません。

岸泰裕です。

2019年、金融庁の報告書が「老後に2,000万円が必要」と試算し、日本中が騒然となりました。しかしその後の議論は「2,000万円なんて無理」か「政府の責任だ」という方向に流れ、「では具体的にどう準備するか」という実践的な話がなおざりにされた印象があります。今回は計算式で現実を見ていきます。

1. 複利の計算式で逆算する

毎月一定額を積み立て、年率一定で運用した場合の将来価値は「積立複利の公式」で計算できます。計算を単純化するために年率5%(新NISAでインデックス投資した場合の保守的な想定)で試算します。

  • 月3万円 × 年率5% → 2,000万円達成まで:約27年
  • 月5万円 × 年率5% → 2,000万円達成まで:約22年
  • 月6万円 × 年率5% → 2,000万円達成まで:約18年
  • 月8万円 × 年率5% → 2,000万円達成まで:約15年
  • 月10万円 × 年率5% → 2,000万円達成まで:約13年

30歳から月6万円積み立てれば、48歳で2,000万円に到達します。40歳からでも月8万円なら55歳で達成です。「無理」ではありません。

2. 年収500万円で月6万円を捻出する方法

手取り月収を約30万円として、月6万円(手取りの20%)を投資に回すには、残り24万円で生活する必要があります。これは「節約の極限」を求めているのではなく、「先に投資額を確保してから残りで生活する」先取り貯蓄の発想です。給与振込日に自動的にインデックスファンドへ積み立てる設定をするだけで、意識せずに実行できます。

3. 達成を阻む「3つの行動」

  • 暴落で積立を止める:最も安く買えるタイミングで止めることで、複利の連鎖が切れる。歴史的にあらゆる暴落は回復した。
  • 高コスト商品への投資:信託報酬2%のファンドと0.05%のファンドでは、20年後に100万円以上の差が出る。
  • 「もっと増やそう」とレバレッジをかける:途中でリスクを取りすぎて大きく損失し、目標から遠ざかる。

4. 2,000万円を達成した後の「次の目標」

2,000万円到達後も同じ積立を続けると、複利の加速効果で次の2,000万円(合計4,000万円)は最初の2,000万円より短い期間で達成できます。月6万円・年率5%で2,000万円達成後も継続すると、さらに約11年で4,000万円に到達します(最初の18年より7年短い)。これが複利の本質です。

まとめ

資産2,000万円は「富裕層だけの話」ではありません。年収500万円・月6万円の積立・年率5%の運用を18年継続すれば到達できます。難しいのは計算ではなく、「18年間続けること」です。仕組みを作り、自動化し、暴落時も止めない——これが唯一の計算式です。

「18年」という数字の意味——早く始めるほど「必要な積立額」が下がる

年収500万円・月6万円積立・年率5%で18年という計算の意味を深掘りします。もしこれを28歳で始めれば46歳で2000万円に到達します。35歳で始めれば53歳に到達。45歳で始めれば63歳という計算です。

重要なのは「何歳で2000万円に到達するか」だけでなく、「2000万円が何歳から何年間働いてくれるか」です。28歳スタートで46歳到達なら、2000万円は30〜40年間も複利で成長し続けます。この「複利が効く時間」の差が、老後の豊かさを決定的に変えます。

月6万円の積立を現実化する——家計の「最適化ポイント」

「月6万円も積立できない」という方に、実際の家計で削れる固定費の例を挙げます。

  • 通信費の見直し:大手キャリアから格安SIMに切り替えると月7,000〜10,000円削減可能
  • 保険の整理:不要な生命保険・貯蓄型保険を見直すと月5,000〜20,000円の見直し余地があることが多い
  • サブスクリプションの棚卸し:使っていない動画配信・音楽・ジムなどを解約。平均して月3,000〜5,000円の節約になる
  • 住宅費の最適化:場所と広さの見直し(特に子供が独立した後)で月2〜5万円の削減が可能なケースもある

月6万円は最初から出せなくても構いません。1万円から始め、昇給のたびに積立額を増やす「ステップアップ積立」でも同じ目標に到達できます。重要なのは金額よりも「今日始めること」です。


参考・公式資料

著者

岸 泰裕(きし やすひろ)

早稲田大学大学院金融工学MBA取得。元外資系バンカー。財務・IR・ガバナンス・ESG専門。著書3冊、累計調達額480億円、明治大学リバティアカデミー講師(2014年〜)。

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