岸泰裕です。
株価が暴落した日。
SNSのタイムラインは阿鼻叫喚に包まれ、ニュースアプリは「歴史的暴落」「世界恐慌の再来か」といった煽り見出しで溢れかえります。
多くの素人投資家は、そのノイズに耐えきれず、スマホの画面を凝視したままパニック売りに走ります。
そんな日、私はどうしているか。
チャートを閉じ、スマートフォンを機内モードにし、東京湾へ向かいます。
今回は、不確実性の高い相場を生き抜くための「ノイズからの離脱」と、大局観を養うためのメンタルコントロールについて語ります。

1. スマホが投資家を「馬鹿」にする
現代の投資家にとって最大の敵は、AIでも機関投資家でもありません。
ポケットに入っている「スマートフォン」です。
いつでも株価がチェックでき、世界中の悲観的なニュースが1秒で手に入る環境は、人間の脳に過剰なストレスを与えます。
行動経済学の「プロスペクト理論」が証明しているように、人間は「利益を得る喜び」よりも「損失を抱える苦痛」を2倍強く感じます。
毎日画面を見ていれば、長期的なファンダメンタルズ(企業価値や経済の基礎的条件)を見失い、目先の恐怖に支配された「愚かな意思決定」を下すように設計されているのです。
2. ソルトウォーターフィッシングに学ぶ「投資の極意」
私は週末、東京湾でシーバスなどのソルトウォーターフィッシングに没頭します。
実はこの「釣り」という行為は、投資と驚くほど共通点が多いのです。
「潮目」という大局観
海に出ると、表面の波(日々の株価の上下)がいかに無意味であるかがわかります。
重要なのは、その下にある「潮の満ち引き(マクロ経済のトレンド)」です。
大潮なのか、小潮なのか。潮が動くタイミングはいつか。
この大きな「潮目」を読み間違えれば、どんなに高級なルアー(投資手法)を使っても、魚(利益)は絶対に釣れません。
「待つ」という最強のアクション
素人ほど、釣れないと頻繁に場所を変えたり、ルアーを次々と交換したりして自滅します。
しかし、プロは「ここに魚が回遊してくる」という仮説(投資シナリオ)を立てたら、潮が動くその瞬間まで、冷徹に同じポイントでルアーを投げ続けます。
投資も全く同じです。
自分が優位性を持てるポジションを構築したら、あとは「待つ」こと。
相場が荒れている時にガチャガチャとポートフォリオをいじるのは、手数料と税金を証券会社と国に寄付しているだけです。
「何もしない(Stay)」という行動は、投資において最も難しく、最も高いリターンをもたらす意思決定なのです。
3. デジタルデトックスが「野生」を取り戻す
暴落相場に直面した時、あなたがやるべきことは証券口座にログインすることではありません。
物理的にスクリーンから離れることです。
釣竿を握り、海風を感じ、自然という人間のコントロールが全く及ばない巨大な力と対峙する。
そうすることで、ウォール街のアルゴリズムが作り出した「人工的なパニック」から脳を切り離し、投資家としての冷徹な「野生」を取り戻すことができます。
結論:ノイズを遮断し、自分を信じろ
経済ニュースの99%は、あなたに行動を起こさせ、手数料をかすめ取るための「ノイズ」です。
そのノイズに振り回される限り、あなたは一生「刈り取られる側」の羊のままです。
自分の定めた投資戦略(シナリオ)があるなら、雑音はすべて無視してください。
画面を閉じ、外に出て、潮目が変わるのを悠然と待つ。
その胆力を持った者だけが、最終的に相場という海から大きな獲物を釣り上げることができるのです。