岸泰裕です。
今回の選挙も、若者の投票率は低迷しました。
メディアは「若者の政治離れ」と嘆きますが、私は全く逆の感想を持っています。
「今の若者は、極めて合理的で賢い」と。
なぜなら、今の人口構造において、若者が投票に行くことは「コストに見合わない投資」だからです。
今回は、投票しないことの経済合理性と、若者が選ぶべき本当の「投票行動」について語ります。

1. 「シルバー民主主義」という無理ゲー
ゲーム理論で考えてみましょう。
プレーヤーA(高齢者)の数が、プレーヤーB(若者)の3倍以上いるゲームで、多数決を行ったらどうなるか。
100回やっても、プレーヤーAが勝ちます。
この「負け確定」のゲームに、貴重な休日を費やして参加すること自体が、時間の無駄(サンクコスト)です。
若者たちは直感的にそれを悟っています。
「行っても変わらない」というのは、諦めではなく、冷徹な現状分析の結果なのです。
2. 「Voice(発言)」ではなく「Exit(退出)」
組織に不満がある時、人は2つの行動をとります。
一つは「Voice(声を上げて改善を求める)」、もう一つは「Exit(その組織から抜ける)」です。
昭和の学生運動は「Voice」でした。
しかし、令和の若者は「Exit」を選び始めました。
投票率の低下は、日本という国家コミュニティからの「静かなる退出宣言」です。
結論:投票所に行く暇があるなら、英語を学べ
投票用紙に名前を書いても、あなたの手取りは増えません。
しかし、その時間を使って英語を学び、プログラミングを学び、海外の仕事を獲得すれば、あなたの手取りは2倍、3倍になります。
日本を変えようとする努力は、泥沼に石を投げるようなものです。
そんな不毛な努力をするくらいなら、自分が変わる(場所を変える)努力をしてください。
あなたの人生を変える投票箱は、選挙管理委員会ではなく、空港のイミグレーションにあります。
3. では本当に「勝てる投票行動」とは何か
Exitという選択肢は具体的に何を意味するのか。私は「個人レベルでの経済的Exit」だと考えます。
- 外貨資産を持つ:円の価値が政治的に棄損されるリスクに備え、ドル・ユーロ建て資産を資産全体の20〜30%持つ
- 海外移住オプションを確保する:東南アジア・欧州に「逃げ場所」を作ることで、日本の政治リスクへの依存度を下げる
- スキルの国際化:英語・専門資格・グローバルなネットワークを持つことで、どの国でも稼げる人材になる
これは「日本から逃げろ」という主張ではありません。「選択肢を持つこと」自体が交渉力になるという話です。「日本にしか住めない」「日本円しか持てない」状態の人と、「いつでもどこでも行ける」人では、政治に対する態度が根本的に変わります。
4. 若者の「静かなる退出」が持つ逆説的なメッセージ
投票率の低下を嘆く政治学者や評論家は多いですが、彼らは見落としていることがあります。
投票率が下がれば下がるほど、政治の「民主的正統性」は弱まるという現実です。
有権者の20%の投票で成立した政権は、「国民の支持を受けた」とは言いにくい。この「正統性の危機」は、長期的に見れば政治改革の圧力になり得ます。若者の棄権は無関心ではなく、「このゲーム自体がおかしい」という静かなシステム批判として機能しているのです。
5. 投資家としての「最適解」
最終的に、私が個人投資家として取る行動はシンプルです。
- 政治を変えることに多くのエネルギーを使わない
- その代わり、どんな政権下でも生き残れる資産・スキルを構築する
- 外貨・海外不動産・株式等で「円・日本リスク」を分散する
- 子どもには「英語・金融リテラシー・海外経験」を最優先で与える
「投票」という行動が変えられないゲームのルールに従うより、ゲーム自体を変えられる立場に自分を置くこと。それが、シルバー民主主義の時代を若者として賢く生き抜くための唯一の答えだと、私は考えています。