岸泰裕です。
ここ数年、「投資といえば米国株(S&P500)」という風潮が支配的でした。
確かに、過去の実績を見れば米国経済の強さは圧倒的であり、その恩恵を受けた方も多いでしょう。
しかし、2026年の今、あえて問わせてください。
「あなたの全財産を、一つの国、一つの通貨に賭けてしまっても本当に大丈夫ですか?」
「ドル一強」の時代の終わりとリスク
長らく世界の基軸通貨として君臨してきた米ドル。しかし、2026年の視点で見れば、その盤石さに陰りが見え始めています。
- 米国の莫大な財政赤字と債務問題
- 国内の政治的分断による政策リスク
- 新興国による「脱ドル化」の動き
もちろん、明日すぐにドルが崩壊するわけではありません。しかし、資産の100%をドル建て(米国株含む)で持つことは、「米国と心中する」のと同じリスクを背負っていると自覚すべきです。
真の分散とは「通貨」を分けること
日本円だけも怖い。米ドルだけでも怖い。ではどうするか。
答えはシンプルに「分散」です。
富裕層は、巧みに通貨を分散させています。有事の際の避難港としてのスイスフラン、資源国通貨としての豪ドルやカナダドル。そして、特定の国に属さない無国籍通貨としての「金(ゴールド)」。
2026年は、一度立ち止まって、あなたの資産が「どの通貨で評価されているか」を再確認してください。特定の国や通貨と心中しないこと。これがグローバル投資家の鉄則であり、真の防衛策です。
具体的な「脱・ドル依存」ポートフォリオの考え方
では実際に、どのようなアセットアロケーションが「脱ドル依存」を実現するのでしょうか。私が考えるひとつの目安を示します。
資産1000万円の場合の参考配分例:
- 米国株・ETF(S&P500等):30〜40% — 引き続き保有するが「全力」は避ける
- 日本株・日本REIT:15〜20% — 円資産として保有、配当収入源に
- 欧州・新興国株式:10〜15% — 地政学分散として一定程度確保
- 金(ゴールド):10〜15% — 無国籍通貨として有事のヘッジ
- 債券・外貨預金:10〜20% — 流動性確保と通貨分散を兼ねる
これはあくまで参考であり、個々のリスク許容度や年齢・収入状況によって最適解は異なります。重要なのは「特定の通貨・地域への集中度を意識的に下げる」という思考習慣を持つことです。
新興国「脱ドル化」の流れを個人投資家として活用する
2023年以降、BRICS諸国を中心に「米ドルに依存しない決済網」の構築が加速しています。インド・ブラジル・ロシア・中国・南アフリカが推進するこの動きは、長期的に見てドルの基軸通貨としての地位を少しずつ削るものです。
これを個人投資家として活用する方法は主に2つあります。
①コモディティ投資でドル離れの恩恵を受ける
石油・金・銅などの国際コモディティは、ドル安局面で割安感から価格が上がる傾向があります。コモディティETFを一部保有することで、ドル安ヘッジと資産分散を同時に実現できます。
②成長するアジア新興国に直接アクセスする
インドや東南アジア諸国の経済成長は、ドルと独立した形で進んでいます。インド株ETFやASEAN関連の投資信託を少額から取り入れることで、米国経済との相関が低い部分への分散が可能です。
まとめ:分散は「守り」ではなく「知性の証明」
「米国株100%」の戦略は、過去15年間は正解でした。しかし投資の世界に永遠の正解はありません。
通貨分散・地域分散をすることは、リターンを諦めることではありません。むしろ長期的に安定した資産形成を実現するための、最も知的な選択です。
2026年を、自分のポートフォリオを見直す年にしてください。