有事の金、平時の株。では「インフレの時代」は何を買うべきか?

岸泰裕です。

投資の世界には、古くから伝わる格言があります。
「有事の金(ゴールド)、平時の株」
戦争や恐慌の時は金を買い、平和で経済が成長している時は株を買え、という教えです。

しかし、2026年の今、世界を見渡してみてください。
ウクライナや中東、台湾情勢といった「有事」のリスクは常にある。
一方で、AI革命による株価の上昇という「平時(成長)」の側面もある。
そして何より、過去数十年なかった「慢性的なインフレ」が世界を覆っている。

「有事」でもあり「平時」でもあり、かつ「インフレ」でもある。
この複雑怪奇なマクロ経済環境下で、私たちは何を買えばいいのでしょうか?

答えは、極端な二択ではありません。
**「バーベル戦略」**によるハイブリッドな防衛戦術です。
今回は、2026年の投資環境に最適化された、最強のポートフォリオ配分について徹底解説します。

1. 「中庸」が死ぬ時代

かつてのセオリーであった「株式60:債券40」の分散投資は、インフレ時代には機能しません。
なぜなら、インフレ下では金利が上昇し、債券価格が暴落するからです。
「安全資産」だと思っていた国債が、資産を目減りさせる元凶になる。

また、現金のまま持っているのは論外です。
年率3%のインフレなら、10年で資産価値は25%以上失われます。

つまり、真ん中の「中リスク・中リターン(債券)」や「無リスク(現金)」が一番危険な状態なのです。
そこで採用すべきなのが、ナシーム・ニコラス・タレブが提唱した**「バーベル戦略」**です。

2. バーベルの左側:攻めの「10%」

資産の90%を守るために、残りの10%〜20%で徹底的にリスクを取ります。
インフレ率(例えば3〜4%)を凌駕し、資産を爆発的に増やすためのエンジンです。

  • AI・テクノロジー株:
    NVIDIAやその後継となる半導体、AIプラットフォーマー。バブル懸念はありますが、人類史的な生産性向上にかけるなら外せません。
  • ビットコイン(暗号資産):
    デジタルゴールドとしての地位を確立しつつあるBTC。ポートフォリオの1%〜5%を入れるだけで、アップサイドの可能性を確保できます。
  • インド株・新興国株:
    人口ボーナスによる高度経済成長を取り込む。

これらは、半分になってもいいお金(余剰資金)で買ってください。
その代わり、当たれば10倍、100倍になる可能性があります。

3. バーベルの右側:守りの「90%」

そして、残りの大半を**「絶対に価値がゼロにならない実物資産」**に振り向けます。
ここで重要なのは、単なる「守り」ではなく、「インフレに勝てる守り」であることです。

なぜ「地金」より「コイン」なのか

金地金(インゴット)は優秀ですが、金相場に連動するだけです。
私が推奨するのは、そこに**「希少性(ヌミスマティック・バリュー)」**が上乗せされたアンティークコインです。

例えば、金価格が2倍になれば、金貨の地金価値も2倍になります。
しかし、その間にコレクターが増え、希少価値が高まれば、プレミア部分は3倍、4倍になる可能性があります。

「金としての価値(底値の担保)」+「骨董的価値(青天井の上昇余地)」。
この二階建て構造こそが、インフレ時代における最強のディフェンスです。
株が暴落しても、戦争が起きても、100年前の金貨の美しさは変わりません。
この「心理的な安定」こそが、暴落相場で狼狽売りを防ぐアンカー(錨)の役割を果たします。

4. 2026年推奨ポートフォリオ

具体的な配分例を示します。

  • 現金(生活防衛資金): 6ヶ月〜1年分の生活費のみ。
  • 攻めの資産(15%): 全世界株式(オルカン)+一部のAI個別株+ビットコイン(少量)。
  • 守りの実物資産(40%): 英国アンティークコイン(5ギニー等)、金地金。
  • インカム資産(45%): 都心不動産(実需含む)、高配当株。

※債券は入れません。金利上昇リスクがあるためです。

結論:両極端を愛せ

「ほどほどのリスクで、ほどほどのリターン」を狙うのが一番危険です。
それは「茹でガエル」になる道です。

超攻撃的な資産で未来の成長を掴み取り、
超保守的な資産(コイン)で足元を鉄壁にする。

この両極端なバランス感覚こそが、予測不能な2026年を生き抜くための唯一の正解です。
あなたのポートフォリオは、ちゃんと「バーベル」の形をしていますか?
中途半端に膨らんだお腹(現金・債券)を削ぎ落とし、筋肉質な資産配分へ生まれ変わらせましょう。

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