防衛費増額のツケは誰が払う? 「有事の円安」があなたの預金を溶かす

岸泰裕です。

台湾有事のリスクが高まり、日本の防衛費はGDP比2%へ増額されました。
ミサイルを買うこと、シェルターを作ること自体を否定はしません。
しかし、資産アドバイザーとして看過できないのは、**「その莫大な買い物代金を、誰が、どうやって払うのか」**という点です。

政府は「増税で賄う」と言ったり、「国債で賄う」と言ったり、らちが明きません。
しかし、経済の原則からすれば、答えは一つです。
**「通貨の価値を落とす(インフレ)」**ことで、実質的に国民全員から徴収するのです。

「防衛増税」は所得税ではない、インフレ税だ

政治的に不人気な「法人税増税」や「所得税増税」は、選挙前にはなかなか実行できません。
では、政府はどうするか。
一番簡単な方法は、**「国債を刷って日銀に買わせる(事実上の財政ファイナンス)」**を続けることです。

市場に円が溢れれば、当然、円の価値は下がります(円安)。
円安になれば、エネルギーや食料の輸入価格が上がります。
これこそが**「インフレ税」**です。

あなたは税務署にお金を払っているつもりはないかもしれませんが、スーパーで高くなった卵を買うたびに、ガソリンスタンドで高いガソリンを入れるたびに、間接的に国の借金のツケを払わされているのです。

「国を守る」ために「個人の資産」が犠牲になる

歴史を見れば明らかです。
戦争(あるいは準戦時体制)をする国は、必ず通貨を減価させます。
戦前の日本も、戦後の米国もそうでした。

2026年、日本政府が「防衛国債」を乱発すれば、円の信用力はさらに低下します。
「1ドル=170円、180円」という世界が常態化した時、日本円だけで貯金している人の資産価値は、国際的に見て3割、4割と目減りします。

「国を守る」という大義名分の下で、あなたの虎の子の預金が溶かされていく。
これが、防衛費増額の隠されたコストです。

政治家は自分の資産を円で持っていない

永田町の噂レベルの話ではありません。
富裕層や政治家の多くは、すでに資産のかなりの部分を「外貨」や「海外不動産」、あるいは「金」に移しています。
彼らは知っているからです。
この国の財政規律が緩みきっており、最終的には円の価値を犠牲にして帳尻を合わせるしかないことを。

結論:自分の身は自分で守る「防衛費」を使え

国の防衛費が増えるなら、あなた個人の「資産防衛費」も増やさなければなりません。

それは、シェルターを買うことではありません。
**「日本円という沈みゆく船から、資産の一部を避難させること」**です。

S&P500を買うのもいいでしょう。金貨を買うのもいいでしょう。
重要なのは、「日本政府の支配力が及ばない資産」を持つことです。

国があなたの生活を守ってくれる保証はありません。
有事の際、最後に頼れるのは、政治家の言葉ではなく、手元にある「世界で通用する資産」だけなのです。

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