近年は少しずつ個人投資家も増えています。しかし少なくない方が投資に失敗して資産をふやすどころか減らしてしまっているのが現状です。投資に成功する方法を学ぶ前に、なぜ失敗してしまうのかよくある失敗をみてみましょう。
なんとなくで投資をしてしまう
投資をしてみようと思い立った時に、ついやってしまいがちなのが「なんとなく」で投資をしてしまうことがあります。
例えば「株式投資をしよう」と思い立った時に、財務諸表であったりチャートであったりを確認することなく、とりあえず今の値段で買ってしまうというパターンです。事前に調べることなく、とりあえず会社名を知っているからと言ってそのタイミングで購入をしてしまう。
このような投資方法では、これから株価が上昇するか下降するかは完全にギャンブルになってしまいます。大切なお金を投資をするわけですから、しっかりと分析をしたうえで投資を行いましょう。一度や二度はビギナーズラックで利益が出るかもしれませんが、長期的にみると失敗に終わってしまいます。
損をすると無かったことにしようとする
人間は感情に大きく動かされる動物です。利益が出ているときにはワクワクして、極めて頻繁に株価を確認しますが、損失が出ているときには株価を見ないふりをして、無かったことにしようとしてしまうことがあります。
また、損をした時にも頻繁にはみるものの「もうすぐ上がるかもしれない」と損切りをいつまでもしない人も多くおられます。早めに損切りをしていれば損失も少なかったかもしれないのに、ズルズルと持ち続けてしまい、損失が拡大してしまうパターンです。
損をした時こそ今保有している銘柄を手放すべきか、それとも持ち続けるべきかを冷静に理論的に判断をしなければなりません。資産を増やす最大の近道は損失を防ぐことです。
利益と損失のバランスがいびつになる
利益が少しでも出ると、その利益を確定させようとすぐに利食ってしまう方も多くおられます。初動であり、これからかなり上昇していくような状況にも関わらず利益を確定し、本来得られるはずであった利益を自ら手放してしまうパターンです。
人はどうしても収益よりも損失を怖がってしまいます。たとえ1万円の利益であっても、この利益が消えて±0になる事に恐怖を感じてしまいます。利益出た時も冷静に確定するタイミングを判断して行動しましょう。同様の失敗のパターンで、損失が出ている場合はそれを取り戻そうとしてより大きなリスクを取ることもあげられます。リスクをしっかりと測定して許容できる範囲でのリスクであれば結構ですが、例えば現物投資の失敗を信用取引で回収しようとする様なケースは避けるべき意思決定です。
この様な意思決定については客観的にみると当然だと思える話ですが、いざ自分に置き換えると誤った決定・行動をしてしまいがちです。この意思決定のことはプロスペクト理論と呼ばれ投資家がついつい行ってしまう非効率な行動だといわれています。
※注記 プロスペクト理論:不確実性下における意思決定モデルの一つ。選択の結果得られる利益もしくは損失に対して人がどのような選択をするかの理論モデル。
カモにされてしまう
投資の世界、特に短期での投資の世界は勝者の利益と敗者の損失の合計がゼロになるゼロサムゲームです。市場には必ず負け組と勝ち組に分かれてしまいます。資産を増やすためには当然、勝ち組に入らなければなりません。しかし、その様な過酷な投資の世界において、知識も十分ではないのにいきなり自分の判断だけで銘柄を購入することで勝ち組に入ることが出来るでしょうか。過酷な投資の世界で勝ち組に入るためには、まず投資の基本的なルールをしっかりと理解することが必要です。そして情報収集をしっかり行って、ほかの人たちと対等に勝負ができるだけの理論武装をしなければなりません。トランプでもオセロでも、まずはルールを理解し身に着けること、それから勝つための手法を学びながら、自分なりの必勝法を構築していくことが重要です。カモにされないようにしっかりとルールの理解と情報収集していきましょう。
※注記 プロスペクト理論:不確実性下における意思決定モデルの一つ。選択の結果得られる利益もしくは損失に対して人がどのような選択をするかの理論モデル。
ゲームオーバー、退場になってしまう
投資とは、今ある資産を元本にして増減させるものです。あまりに負け続けてしまった場合、途中で運用を諦めざる得ないゲームオーバー、もしくは退場になってしまうリスクがあります。
特に信用取引やFX等で高倍率のレバレッジをかけている場合、相場の急変動で強制退場となってしまう場合があります。
投資にはあなたの人生がかかっていることを忘れず、投資の世界からゲームオーバーや退場になってしまうことが無いように、リスクを取りすぎることなく適切なリスクで末永く投資を行えるように対策を練っていきましょう。