相続税で資産が半分になる悲劇。アンティークコインが「富のタイムカプセル」と呼ばれる理由

岸泰裕です。

日本は世界有数の「相続税大国」です。
最高税率は55%。三代続けば資産は無くなる、と言われる所以です。

かつて、富裕層の相続対策といえば「タワーマンション」が王道でした。
市場価格と相続税評価額の大きな乖離を利用して、税金を圧縮する手法です。
しかし、2024年の税制改正(マンション評価の見直し)により、この抜け道は事実上封鎖されました。

「もう打つ手はないのか…」と頭を抱える資産家の方々に、私が最後にお伝えしたいのが、**「アンティークコインを活用した資産継承」**です。
これは単なる節税テクニックではありません。
インフレと増税という嵐の中で、一族の富を「減らさずに」、そして「争うことなく」次世代へ渡すための、欧州貴族が数百年実践してきた知恵です。

シリーズ最終回となる今回は、3000文字のボリュームで、最強の相続ツールとしてのアンティークコインの魅力を解説します。

1. 現金相続の「二重苦」を知る

まず、なぜ「現金」で相続してはいけないのか。
理由は2つあります。

① インフレによる価値の毀損

相続は、いつ発生するか誰にも分かりません。
もし親御さんが100歳まで長生きされたとして、その間の20年、30年、現金のままで持っていたらどうなるでしょうか。
インフレ率が年3%なら、20年後には現金の価値は約半分(55%)になります。
そこに相続税がかかるのです。

② 評価額が「100%」であること

現金1億円の相続税評価額は、当然1億円です。
何の控除も、評価減もありません。
これほど税務署にとって「取りやすい」資産はないのです。

2. 不動産の限界と「争族」リスク

「だから不動産を買うんだ」という反論があるでしょう。
確かに、小規模宅地等の特例などが使えれば効果はあります。

しかし、不動産には致命的な弱点があります。
**「分けられない」**ことです。

実家という1つの不動産を、3人の子供でどう分けるか。
共有名義にする? 誰かが住む? 売却して分ける?
遺産分割協議で揉める原因の大多数は不動産です。「争族」の火種を親が残してはいけません。

さらに、売却しようとしても、立地が悪ければ買い手がつかず、流動性リスクも抱えます。
維持費や固定資産税もかかり続けます。

3. アンティークコイン:富のタイムカプセル

ここで、アンティークコインの特性を見てみましょう。
なぜこれが相続に適しているのか。

① 「時価」評価だが、鑑定の幅がある

まず大前提として、コインの相続税評価は原則として「時価(取引価格)」です。
しかし、不動産のように路線価があるわけでも、上場株式のように毎日終値が出るわけでもありません。

希少なコインであればあるほど、「定価」が存在しません。
オークションの落札価格や、専門業者の買取査定額など、評価には一定の幅(レンジ)が生じます。
当然、適正な範囲内であれば、納税者にとって有利な評価額を採用する余地が生まれます。
(※過度な過少申告は否認されるリスクがありますので、専門の税理士との相談が必須です)

② 圧倒的な「保管性」と「可搬性」

1億円分の金貨といっても、手のひらに乗るサイズです。
固定資産税もかからず、メンテナンス費用もゼロ。
金庫に入れておくだけで、数百年でも品質を保ちます。

そして、いざという時(戦争や災害、海外移住など)には、ポケットに入れて持ち運べる。
不動産には絶対に真似できない機動力です。

③ 究極の「分割可能性」

ここが最大のメリットです。
例えば、3人の子供に資産を残したい場合。
同じ価値のコインを3枚用意しておけばいいのです。

「長男にはウナ&ライオン、次男にはゴシッククラウン、長女には5ギニー金貨」
このように物理的に分けることができれば、遺産分割協議で揉めることはありません。
受け取った子供たちも、それを持ち続けるもよし、売却して現金化するもよし。選択の自由を与えることができます。

4. 「キャピタルゲイン」を次世代へ

私がコイン相続をお勧めする最大の理由は、実は節税以上のところにあります。
それは**「値上がり益の先送り」**です。

アンティークコインは、長期的には右肩上がりの資産です。
親が元気なうちに購入し、保有期間中に価値が2倍、3倍になったとします。
相続が発生した時、評価額は上がっているかもしれませんが、それ以上に「含み益」を持った状態で子供に渡すことができます。

子供は、将来さらに値上がりしたタイミングで売却し、莫大な富を手にすることができる。
あるいは、孫の代まで持ち続ければ、それは家宝となり、一族の歴史となります。

欧州のロスチャイルド家などが、何代にもわたって富を維持できたのは、美術品やコインといった「インフレに勝ち、税制に有利な資産」で継承してきたからです。

5. 結論:愛する家族に何を残すか

通帳に残された数字(現金)は、ただの数字です。
しかし、歴史的な背景を持つ美しいコインは、親の「想い」と「教養(リテラシー)」を伝える媒体になります。

「なぜ、父はこのコインを選んだのか」
「なぜ、資産を分散しろと口酸っぱく言っていたのか」

コインを手にした子供たちは、あなたの投資哲学を肌で感じ、自らも資産を守る術を学ぶでしょう。
資産だけでなく、知恵を相続する。
それこそが、アンティークコイン投資の真のゴールなのです。

私の個別コンサルティングでは、提携する資産税専門の税理士と共に、お客様の相続プランに合わせた最適なコインポートフォリオ(銘柄選定から購入、保管、そして出口戦略まで)をご提案しています。
手遅れになる前に、一族の未来を守る準備を始めましょう。

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