【財務】家計簿を捨てて「BS/PL」を作れ。企業財務のプロが教える、個人の「コーポレートファイナンス」

岸泰裕です。

「毎月、家計簿をつけて節約を頑張っています」
私のところに相談に来る方の多くが、得意げにそう語ります。
しかし、その割には一向に資産が増えていない。

理由は明白です。
「家計簿」というツール自体が、貧乏になるための洗脳装置だからです。
家計簿は、日々の「支出(経費)」を記録して削るためのものであり、未来の「資産」をどう築くかという視点が完全に欠落しています。

私は普段、事業会社の財務責任者(Finance Manager)として数億円単位の資金調達やキャッシュフロー管理を行い、大学の教壇でコーポレートファイナンスを教えています。
そのプロの視点から見ると、多くの個人の「お金の管理」は、まるでお小遣い帳レベルの惨状です。

今回は、個人の家計を一つの「企業」と見立て、コーポレートファイナンスの思考法をインストールして資産を爆発的に増やす方法を解説します。

1. PL(損益計算書)の呪縛から抜け出せ

多くのサラリーマンは、自分の経済状況を「PL(損益計算書)」だけで判断しています。
「今月の給料(売上)が30万円で、生活費(経費)が25万円だから、5万円の黒字(利益)だ」という思考です。

この思考の恐ろしいところは、給料という単一の「売上」に依存しきっている点です。
企業財務の世界では、売上の柱が1本しかない会社は「倒産リスク極大」とみなされます。
本業の給与だけに依存するPL脳を捨て、複数のキャッシュフロー(配当、副業収入、事業収入)を生み出すポートフォリオを組まなければ、一生「労働」という名の自転車操業から抜け出せません。

2. 個人の「BS(貸借対照表)」を持て

真の金持ちは、PLではなく「BS(貸借対照表)」で生きています。
BSとは、あなたが持っている「資産(Asset)」と、抱えている「負債(Liability)」、そしてその差額である「純資産(Equity)」を見える化したものです。

あなたのその車は「資産」か「負債」か

コーポレートファイナンスの観点から言えば、資産とは「将来、あなたのポケットにお金を入れてくれるもの」です。
株式、債券、収益不動産、あるいは自分自身の稼ぐ力を高めるための「教育投資」は、立派な資産です。

一方、ローンで買った新車や、見栄で買ったタワーマンションはどうでしょうか。
これらは毎月のローンや維持費という形で、あなたのポケットからお金を奪っていく「負債」です。(銀行のBSでは資産ですが、個人のBSでは負債として機能します)。
家計簿をつけてスーパーの特売品を追いかけても、BSの右側(負債)に数千万円のローンが鎮座していれば、あなたの会社(家計)は実質的な債務超過です。

3. 「レバレッジ」の正しい使い方

財務のプロは「無借金経営」を必ずしも良しとしません。
金利が低いのであれば、他人資本(銀行からの借入)を使ってレバレッジを効かせ、借入金利以上の利回りで「資産」を回すことで、自己資本利益率(ROE)を最大化させるのがファイナンスの基本です。

個人においても同じです。
消費のための借金(リボ払いやカーローン)は愚の骨頂ですが、将来のキャッシュフローを生み出すための借金(手堅い事業投資や、極めて条件の良い不動産投資への融資など)は、資産形成のスピードを劇的に早める「良いレバレッジ」になり得ます。

結論:あなたは「株式会社自分」のCFOである

今日から、あなた自身を「株式会社自分」のCFO(最高財務責任者)に任命してください。
家計簿をちまちまつけるのをやめ、四半期に一度、自分の「BS」と「PL」を作成しましょう。

負債を減らし、キャッシュを生む純資産を積み上げる。
この冷徹な「コーポレートファイナンス思考」を手に入れた瞬間、世の中に溢れる「リボ払い」や「夢のマイホーム」といった罠が、いかに馬鹿げた搾取システムであるかが痛いほどわかるはずです。

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