岸泰裕です。
「人生100年時代」
この言葉を聞いて、あなたは希望を感じますか? それとも絶望を感じますか?
もし、あなたが何の準備もせずにただ長生きすることを「めでたい」と思っているなら、認識が甘すぎます。
現代において、長生きは「リスク」です。
健康を害し、寝たきりになり、資産が尽き、家族に迷惑をかけながら、死ぬに死ねない地獄が10年、20年と続く。これが、多くの日本人に待ち受けているリアルな老後です。
今回は、崩壊寸前の医療制度と長生きリスクの現実を直視し、最後まで人間としての尊厳を保って生き抜くための、冷徹な健康戦略について語ります。

1. 日本の医療制度は「持続不可能」である
まず、前提となる社会システムを疑う必要があります。
「世界一の長寿国」「国民皆保険制度」といった日本の医療の光の部分ばかりが強調されますが、その影には、持続不可能な財政負担があります。
膨張する医療費と現役世代の負担
国民医療費は年間40兆円を超え、増え続けています。その大半を高齢者が使っています。
これを支えているのは、減少していく現役世代の保険料と、将来への借金(国債)です。
このシステムが破綻するのは時間の問題です。将来的に、医療費の自己負担割合が増え、受けられる医療サービスが制限される(混合診療の解禁など)ことは避けられません。「病気になったら国が安く治してくれる」という前提は捨ててください。
2. 最大の資産運用は「健康への投資」
資産形成において、最も確実でリターンの大きい投資対象は「S&P500」でも「ビットコイン」でもありません。
あなた自身の「健康」です。
「予防」は最強のコスト削減
病気になってから治療に数百万、数千万円を使うのと、病気にならないために日々の食事や運動に数万円を使うのと、どちらが経済合理的でしょうか?
答えは明白です。
- 食事:添加物や糖質の多い安価な加工食品を避け、質の高い食材を摂る。
- 運動:ジム代をケチらず、筋トレで「貯筋」をする(筋肉は裏切らない資産です)。
- 睡眠・メンタル:ストレスを溜めない生活設計をし、十分な休息をとる。
- 予防医療:人間ドックや歯科検診を定期的に受け、早期発見・早期治療を徹底する。
これらに使うお金と時間は「消費」ではなく、将来の莫大な医療費と介護費を削減するための「投資」です。健康な肉体さえあれば、いくつになっても働き、稼ぐことができます。
3. タブーを直視せよ:「死に方」の戦略
最後に、日本人が目を背けがちな、しかし最も重要な問題に触れます。
それは「どう死ぬか」という戦略です。
延命治療と「リビング・ウィル」
意識がなくなり、回復の見込みがない状態で、胃ろうや人工呼吸器に繋がれて生き続けることを、あなたは望みますか?
多くの人が「NO」と答えるでしょう。しかし、元気なうちに自分の意志を明確に書面(リビング・ウィル)に残しておかなければ、家族や医師は延命治療を選択せざるを得なくなります。
自分の最後を自分で決めることは、残された家族への最大の思いやりでもあります。
安楽死・尊厳死の議論
海外では安楽死が合法化される国が増えています。
日本でも、耐え難い苦痛の中で、自分の意志で人生の幕を引く権利(尊厳死)についての議論を避けて通ることはできません。
「死」をタブー視せず、自分の人生の「出口戦略」を真剣に考えること。それが、人生100年時代を最後まで主体的に生き抜くための条件です。
結論:自分の体は、自分で守れ
国も、医者も、家族も、あなたの健康と人生の最後を100%責任を持って引き受けてくれるわけではありません。
最終的に頼れるのは、自分自身です。
健康を維持し、自立した生活を続けるための努力を怠らないこと。
そして、いつか来る「死」から目を背けず、準備をしておくこと。
この冷徹なリアリズムこそが、あなたを長生きリスクという地獄から救い出します。