「教育無償化」より「教育への課金」。公教育崩壊時代の親の戦略

岸泰裕です。

「子供の教育費、どうしていますか?」
資産運用のアドバイスをしていると、必ずと言っていいほどこの話題に行き着きます。
多くの親御さんが、学資保険やNISAで大学費用を貯めていますが、私はこう問いかけます。

「そのお金を、18歳まで取っておくつもりですか? それでは遅すぎるかもしれませんよ」

2026年、日本の公教育現場は、静かに、しかし確実に崩壊しています。
教員不足による授業の質の低下、画一的なカリキュラム、英語教育の敗北。
「学校に任せておけば安心」「いい大学に入れば安泰」という昭和・平成の成功法則は完全に賞味期限切れです。

親ができる最高の投資。
それは、現金を残すこと以上に、子供に**「生き抜く力(人的資本)」**をつけるための教育に、早期から容赦なく「課金」することです。
今回は、公教育を見限り、独自ルートで子供の才能を伸ばすための「教育投資戦略」について、4000文字で深掘りします。

1. 「無料」の教育には「無料」の価値しかない

政治家は「教育無償化」を叫びますが、騙されてはいけません。
無償化された教育とは、すなわち「コストカットされた教育」です。

給料の安い教員が、過労死寸前で働き、40人の生徒を一律に管理する。
そこで育つのは、命令に従順な「工場労働者モデル」の人材です。
しかし、AIが台頭するこれからの時代、指示待ち人間に経済的価値はありません。

一方、富裕層は何をしているか。
インターナショナルスクール、海外ボーディングスクール、あるいはオルタナティブスクール。
年間数百万円の学費を払い、「正解のない問い」に挑ませ、「失敗する自由」を与えています。
教育においても、恐ろしいほどの二極化(格差)が進行しているのです。

2. 「環境」をお金で買う:ピア効果の魔力

なぜ高い学費を払うのか。
カリキュラムが良いから? 設備が凄いから?
それもありますが、最大の理由は**「ピア効果(同級生からの影響)」**です。

「親が経営者で、将来は起業するのが当たり前だと思っている友人」
「夏休みは海外でボランティアをするのが普通の友人」

こういう仲間に囲まれて10代を過ごした子供と、
「勉強なんてダサい」「将来は公務員でいいや」という仲間に囲まれた子供。
どちらが、将来高い人的資本(稼ぐ力)を持つようになるかは明白です。

環境へのアクセス権は、残酷ですがお金でしか買えません。
良い学校(コミュニティ)に入るための課金は、贅沢ではなく、子供の基準値を引き上げるための必須コストです。

3. 留学資金 2,000万円は高いか?

円安の影響で、海外大学への進学費用は4年間で2,000万円〜3,000万円コースになりました。
「高すぎる、家が建つ」と尻込みする気持ちは分かります。

しかし、投資対効果(ROI)で考えてみてください。

日本の大学を出て、日本企業に入社した場合の初任給は年収300万円台。
一方、米国のトップ大学を出て、グローバル企業や投資銀行、テック企業に入れば、初任給で年収1,000万円〜1,500万円はザラです。

スタート地点で3倍以上の差がつきます。
2,000万円の投資なんて、優秀な子なら数年で回収し、その後は莫大な「黒字」を生み出し続けます。
逆に、教育費をケチって「稼げない大人」にしてしまうことこそ、最大の損失(機会損失)ではないでしょうか。

4. アンチ・エイジングならぬ「アンチ・円」教育

私が提案する教育のコアコンセプトは、**「日本円に依存しない子供を育てる」**ことです。

  • 英語(または中国語)で情報を取れる。
  • どの国に行っても、自分のスキルで外貨を稼げる。
  • 日本の常識を相対化して見ることができる。

この能力さえあれば、将来日本が財政破綻しようが、沈没しようが、子供は生き残れます。
親が残すべきは、インフレで溶ける現金や、管理の面倒な不動産ではなく、この「サバイバル能力」です。

結論:コインを売って、知恵を買え

私はアンティークコインのディーラーですが、お客様にはこう言います。
「子供が留学したいと言ったら、迷わずこのコインを売ってください」

資産防衛の最終目的は、コインを墓場に持っていくことではありません。
家族の未来を切り拓くための「燃料」にすることです。

コインで資産を増やし、守り、一番必要なタイミング(教育)で惜しみなく使う。
これこそが、次世代へバトンを繋ぐ、最も美しい資産運用の形だと私は信じています。
さあ、お子さんのために、どこへ課金しますか?

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