【通貨】「安いニッポン」は終わらない。円の「紙屑化」を前提とした、残酷な生存戦略

岸泰裕です。

「そのうち円高に戻るだろう」
「海外旅行は高くて行けないけど、日本にいれば関係ない」

もしあなたがまだ、このような寝言を言っているなら、目を覚ます必要があります。
現在の円安は、一時的な金利差による変動ではありません。
日本の国力が構造的に低下し、世界から「この国の通貨には価値がない」と判断された結果の「構造的円安(悪い円安)」です。

街にあふれる外国人観光客を見て「インバウンド景気だ」と喜ぶのは、あまりにも浅はかです。
あれは、日本が「安い国」に成り下がったから、バーゲンセールに群がっているだけです。

今回は、あなたの資産と給料の価値を半分にする「通貨の暴力」と、そこから身を守るための具体的なアクションについて語ります。

 

1. あなたの給料は「ドル換算」で半減している

まず、残酷な現実を直視しましょう。
あなたの月給が30万円だとします。
数年前、1ドル100円の時代には、あなたの労働価値は「3,000ドル」でした。
しかし、1ドル150円、160円となった今、あなたの労働価値は「2,000ドル以下」に暴落しています。

「日本にいれば関係ない」という嘘

「俺はドルなんて使わない」と言う人がいますが、それは間違いです。
あなたが毎日食べる小麦、牛肉、コーヒー。
あなたが使うiPhone、PC、ガソリン、電気、ガス。
これらはすべて海外から輸入しており、その価格は「ドル」で決まります。

円の価値が下がれば、輸入品の価格は上がります。
スーパーの値札が上がっているのは、物価が上がっているのではなく、「円の価値が下がっている(あなたの持っているお金が紙屑に近づいている)」現象なのです。
日本に住んでいても、私たちは世界経済というプールの中で泳いでおり、円安という津波からは逃げられません。

2. 「二重価格」時代の到来

これから日本で起きるのは、残酷な「二重価格(ダブルプライス)」の定着です。
すでに観光地では始まっています。

  • インバウンド価格:外国人向けの1杯3000円のラーメン、1泊5万円のホテル。
  • 日本人価格:コストを削りに削った、質の低い1杯500円の牛丼、カプセルホテル。

企業は、金のない日本人を相手にするよりも、金を落とす外国人を相手にした方が儲かります。
その結果、良質なサービスや商品はすべて「外貨を持つ者」のために提供され、日本円しか持たない日本人は「安かろう悪かろう」の粗悪品で我慢するしかなくなります。
自国にいながらにして、経済的二級市民に転落する。これが「安いニッポン」の正体です。

3. 円安を「呪う」側から「利用する」側へ

では、どうすればいいのか。
政府や日銀に文句を言っても、円安は止まりません。
唯一の解は、あなた自身が「円安を利用するポジション」に移動することです。

① 外貨を稼ぐ(出稼ぎ・輸出・外資)

最も強力なのは、収入源を「外貨」にすることです。
海外に出稼ぎに行くのが手っ取り早いですが、日本にいながらでも可能です。
・海外のクラウドソーシングで仕事を受注する(Upworkなど)。
・日本の商品を海外に売る(越境EC)。
・給料の高い外資系企業に転職する。

ドルで稼いで円で生活すれば、円安は「ボーナス」に変わります。
これからの勝ち組は、「東京に住んで、シリコンバレーの給料をもらう」人たちです。

② 資産をドルに移す(通貨分散)

給料が円なら、せめて資産だけでもドルに移しましょう。
米国株(S&P500など)やドル建て債券を持つことは、資産を増やすというより、「資産の購買力を守る」ための必須行動です。
日本円を銀行に預けたままにすることは、穴の空いたバケツに水を貯めているのと同じです。

結論:日本円と心中するな

「愛国心」と「資産運用」は切り離してください。
日本が好きであることと、日本円を持つことは別の話です。

国力が低下し、人口が減る国の通貨が、成長する国の通貨に対して弱くなるのは、重力の法則と同じくらい確実なことです。
この重力に逆らわず、波に乗る。
日本円というローカル通貨への依存度を下げ、グローバルな価値基準で生きること。
それが、貧しくなる国で豊かさを維持する唯一の道です。

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